一見おとなしめの人が多く、落ち着いた雰囲気の課です。私も「不動産営業マンというより学校の教頭先生みたいだね」と言われることが多いのですが、部下たちも同じで、不動産営業でよくイメージされる押しの強い体育会系営業とはカラーが違う、自分のペースでコツコツと物事に取り組む、ソフトな人当たりの堅実な人が課には多いです。
おとなしそうとは言っても、実はその内面にしっかりとした自我を持っている人が多いですから、付き合いが長くなるほど、みんな頑固者だというのが分かってきます（笑）。かと言って、周囲をかえりみない個人主義のシングルプレイヤー気質ということではなく、周りへの配慮に長けた人がほとんど。自分の我を通すよりも相手の気持ちになって考える共感力の高い人が多いので、課全体がほんわかしており、お昼もみんなでそろってランチに出かけたりしています。
新しい環境で仕事に就くということは、仕事以前に、新人にとってはそこにいるだけで疲れることでしょう。だから私は、入社２週間は、仕事云々よりも新しい環境に馴染んでもらうことを心がけています。緊張して不眠になる場合もありますので「ちゃんと寝てる？」とか声をかけたり、ランチに誘ったり、課のみんなと緊張せずに話せる雰囲気をなるべくつくるようにしています。
そうやって２週間もたてば、だいたいみんな緊張がほぐれて、明るくなってきます。最初は暗そうに見えた子でも（笑）、だんだん地が出てきて、冗談を言いながら仕事に取り組んでくれるようになります。
私たち営業は目標数字というものを背負っていますから、当然仕事はキツいんです。でもそのキツさも職場の人間関係がよければ乗り越えられるんですね。数字のキツさ、辛さを乗り越えるための仲間を作れる環境を、上に立つ立場の人間として、課のみんなに用意してあげたいと思っています。
まず、ものごとには人に頼らず、自分で対処できる人間になれるよう指導しています。分からないことがあれば、人に聞く前に自分で調べる。ネット検索をかければあらゆるものごとが調べられますから、どんなことでも概略はだいたい分かるんです。その上でその内容が正しいかどうか、自分の理解が間違ってないかを人に確認することは必要です。経験のないことにぶつかったら、すぐに人に助けを求めるのではなく、まずはどうしたらよいか自分で考える。その上で「自分はこうするのがいいと思うが、先輩はどう思うか？」とアドバイスを求める。オープンクエスチョンではなく、クローズドクエスチョンで質問しなさいと新人には言っています。
不動産営業として、一般的な知識をひととおり付けた後は、売買時の契約やローン詳細などについては、案件ごとに違う場合が多いので、司法書士や銀行の担当などの専門家に直に問い合わせるように指導しています。そこから自分の人脈も広がりますし、問い合わせた以上の情報を教えてもらえることもありますから。ですが、個別案件であっても、みんなで知っておくべきだと思う情報については私の方で拾い上げ、新しい知識・情報としてみんなに共有するようにしています。
また、スピード感を持って仕事に取り組むように仕向けています。「女心と秋の空」ではなく「お客様心と秋の空」ほどにお客様の気持ちは変わりやすいので、お客様がその気になったタイミングで時間をおかずに、一気にクロージングまで持っていける最短のシナリオを常に準備しておくようにと課員には指導しています。お客様が「売りたい」「買いたい」と思ったタイミングで、お客様を満足させられる一手が出せるよう、日頃の準備を怠らないこと。部下に指導するだけでなく、私自身もそのように行動しています。
不動産仲介の仕事は、一つとして同じ内容はなく、それぞれにドラマがあり、奥の深い仕事です。毎日新しい発見があり、さまざまな人との出会いがあります。お客様に喜ばれ、心からの「ありがとう」の言葉をいただけた時の嬉しさはたまりません。
その嬉しさ、楽しさは一度体験してしまうとやみつきになりますから、もっと「ありがとう」と言われたい、お客様を満足させたいと思い、自然に自分で考え、行動できるようになっていきます。昨年度の新人も入社時にはやる気を感じられませんでしたが、今では誰よりも早く出社し、始業前に勉強している仕事熱心人間になっています。
毎月目標数字をクリアしていかなければならず、苦しい面もありますが、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨しながら、苦しさを乗り超えていく過程に意義があり、人間として成長していくことができます。コンサルティング２課には、苦しさを楽しさに変えてくれるほんわか仲間がそろっています。チームで一緒に頑張って行きましょう！
